タンパク質とアミノ酸の違いについて、薬剤師がお答えします。

三大栄養素の一つであるタンパク質
スポーツ飲料に含まれるアミノ酸

他にもプロテインやペプチドとか、いろんな言葉が出てきますよね。
何の違いがあるのかといわれると、わからないという人が多いのではないでしょうか?

それらの特徴についてをまとめてみようと思います。

タンパク質とは

タンパク質とは、20種類あるアミノ酸が鎖状に結合した物質のことです。
アミノ酸の種類や、結合の順番などが変化してくると、全く別物のタンパク質が作られるということです。

人の身体の約20%はタンパク質で構成されています。(水分は約65%です)
タンパク質には、数えきれない程の種類が存在します。
(糖質は、身体の1%未満でしか構成されていません)

例えば、「髪の毛」と「皮膚」を比べたら全く別物ですよね。
しかし、これらは細かく分けると20種類のアミノ酸の組み合わせが違うだけなのです。
(髪の毛だったら、システインと呼ばれるアミノ酸が多いというように)

動物性のタンパク質と、植物性のタンパク質も、そもそも機能も構造も違うため、
食べ方には注意しなければならないこともあります。

日本では、プロテインはトレーニング後に飲むもの、みたいなイメージがついていますよね。
タンパク質を英語でProteinと訳せるため、タンパク質=プロテインになります。

アミノ酸同士は、ペプチド結合と呼ばれるもので結ばれています。
(これは、カルボキシル基と、アミノ基が手を取り合って結合している状態です)
アミノ酸が2つ結合したものを、ジペプチド
アミノ酸が3つ結合したものを、トリペプチドと呼んだりします。
50以上のアミノ酸が結合した時、タンパク質と表現されます。
(上の図は便宜上わかりやすくジペプチドと記載していますが、本来はアミノ酸2つのみくっついた状態のものを指します)

アミノ酸とは

アミノ酸とは、タンパク質の大本となる構成成分のことです。
アミノ酸は、もっと細かく見てみるとアミノ基と、カルボキシル基をもつ有機化合物です。

有機化合物とは、炭素を含む化合物です。
わかりやすく言うと、火で燃やして炭になるものは、基本的に有機化合物です。

この二つの「?」に何が入ってくるかで、アミノ酸に種類が出てくるのです。
人間の身体は、20種類のアミノ酸で、身体を構成しています。

必須アミノ酸と非必須アミノ酸

20種類あるアミノ酸のうち、
11種は身体で合成できるものを非必須アミノ酸
9種は食事から摂らなければならないものを必須アミノ酸
と呼びます。

ただし、ここで勘違いしてほしくないことは、
非必須だからといって、摂取しなくてもよいとは限らない、ということです。

合成して作り出すことが出来るとはいえ、効率よく合成できないアミノ酸も存在します。
それらは、外部から補充できるならそれに越したことはないということです。

筋肉のエネルギー源で重要になるアミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシンとよばれる、
BCAA(分枝アミノ酸)になります。

タンパク質の特徴

  • 吸収がアミノ酸に比べて穏やか。腹持ちする
  • 同じ量ならばアミノ酸系に比べて安価
  • 不快な臭いが少ない
  • 筋肉肥大に向いている
  • 腸内環境が悪いと下痢を起こすことがある
  • 1度に吸収できる量は20gまで
  • 植物性たんぱく質と、動物性たんぱく質がある

タンパク質は非常に多くのアミノ酸が結合して存在します。
ゆえに、形としては非常に大きく、身体へ吸収されるには小さく分解しなければなりません。

タンパク質は、胃へ運ばれると胃酸消化酵素によって、小さく分解されていきます。

  • トリペプチド(3つのアミノ酸の状態)
  • ジペプチド(2つのアミノ酸の状態)
  • アミノ酸

の状態まで分解されたとき、はじめて小腸から吸収されます。
ここで、輸送体とよばれるものに助けられて吸収されます。
ヒトにおいて4つ以上のアミノ酸が結合していると吸収出来ません。

この「消化」の過程を経ることで、吸収が穏やかになり、腹持ちしやすくなります。

タンパク質を分解、吸収するには胃酸消化酵素が必要です。
ここで、胃酸や消化酵素が十分に出すことができていないとタンパク質はそのまま腸を素通りすることになります。

そうなってくると、便の水分バランスや、このタンパク質を栄養源として悪玉の腸内細菌が増えたりします。
また、腸内細菌によって有毒なアンモニアやスカトールなどの原因になったりします。

この消化不良が、おならや便の悪臭、下痢や便秘の原因を起こすことがあります。

消化不良の改善には整腸剤や、暖かい食べ物を摂る、十分な睡眠をとること等が大事です。

消化酵素も、食事を見て→噛んで→食べる という過程で自然と分泌されます。
食事を楽しく食べるということも、とても大事です。

また、1度に吸収できるタンパク質は20gなので、それ以上超えてしまうと消化不良を起こします。
20gを超えてタンパク質を摂るのは控えましょう。

アミノ酸の特徴

  • 消化の過程が不要のため、速やかにエネルギーとして利用される
  • アミノ酸独特の臭いがする
  • 味がプロテインよりも不味い
  • 濃度が高いと浸透圧が高いため、下痢を起こす可能性がある
  • 消化不良を起こしている人には向いている
  • 太るための栄養補充としては不向き

アミノ酸は、消化の過程がないので腸内に入ったら速やかに吸収されるのが特徴です。
ダイレクトにくる分、濃度が高いと下痢を起こしやすいです。

スポーツしている最中などのエネルギー補給には向いています。
胃酸や消化酵素も関係がないので、胃もたれのような状態でも問題ありません。

しかしアミノ酸単体のみで存在する食品、飲料というものは、自然界では存在しません。
いわば、人工的な不自然なものといえます。

医療でも、何らかの病気でない限り、アミノ酸成分での栄養剤は出ません。
あくまで、栄養補充にはタンパク質によるものが原則になります。

ですから、太るための栄養源としては、「タンパク質」によるもの推奨します。

まとめ

  • タンパク質とは、アミノ酸の集合体(50個以上結合している)
  • アミノ酸が50個未満で結合しているもの=ペプチド
  • タンパク質=プロテイン
  • 身体には20種類のアミノ酸が組み合わさってできている。
  • 必須アミノ酸と、非必須アミノ酸が存在する。
  • スポーツによる疲労回復にはアミノ酸系飲料
  • 太るためには、タンパク質(プロテイン)を推奨。

タンパク質だけみても、非常に奥が深い栄養素です。
まだ、科学的にわかっていないこともたくさん存在します。

食べるタイミングや量、どんな食品がよいかは、別ページにて紹介したいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

現役薬剤師。太る知識は、日本一の薬剤師だと自負しています! 現在は、全国あちこちで活動中。 10年以上ガリガリだった自分が、今では通常体型まで太りました。 どのようにしたら健康的に太ることができるのか? 科学的根拠と、自分の経験、知識を元に発信していきます。